会社の主役は人、といったところで総務の田中さんが主役とはいきません。
なんといっても会社の歴史を背負っているのは社長です。
会社の顔である社長のキャラクターやここまでの道のりを演出することは、
すなわち会社そのものを演出することです。

演出、といっても大袈裟にドラマチックな演出をする訳ではありません。
社長が、

・なぜその商品を作らなければならなかったのか
・なぜその商品を扱うことになったのか
・なぜそのサービスを行うことになったのか

といったことを振り返り、お客様へのメッセージを再度みつめ直すことです。

「過去を振り返ることで、未来の新しい差別化戦略が見えてくる」ということは、
「これから我が社はお客様に向かって何を発信していくのか」を考えることでもあるのです。

会社のイメージリーダーは、社長です。
そして、会社案内を手にするのは読者(お客様、あるいは潜在顧客)です。
そこには1対1の空間があります。
この空間こそが、メッセージを発信するための舞台です。

ここでのデザインは、すなわち演出。デザイナーは演出家です。
社長によってどういうイメージ、メッセージを伝えるか。
中途半端な演出家はいりません。
この演出に、舞台の全てがかかっているといってもいいでしょう。

ここは本来、もっとも読者が関心を持つ部分。
なぜなら、どういう会社と取り引きしていくかを判断する重要な部分だからです。
しかしここに力を入れている会社案内はあまりありません。
むしろ控えめな方がいい、と考えているような会社案内も多いです。

おきまりの“社長ごあいさつ”では、読者は読んではくれません。
そこにどんなメッセージがあるのか、どんな社長と取引をするのか・・・、
読者の関心はそこにあります。
そして読者と会社(案内)が今後どのように接していけるのかを、
このページでは述べなくてはいけません。

多くの会社案内は、“顔”が見えません。
三人称の表現で終止します。
でも例えば、社長が会社案内全編に渡ってナビゲーションしてみてはどうでしょう?
けっこう面白いんじゃないか、と私は思うのですが。
会社の“顔”であるのは、社長。社長自ら、会社を案内してくれるのです。

取引の縁は、どうなるかわかりません。
しかし、相手の印象に残るということは、大きなアドバンテージでもあります。