会社案内って、決して面白いものじゃあないですよね。
でも、面白くしてはいけないってことはないんです。
読み物としての会社案内が、今まではつまらなさすぎました。
「おい、◯◯社の会社案内を読んでみろよ、おもしろいぞ!」
なんて口コミが拡がるような会社案内があってもいい。
“話題性のある会社案内”が、たまにはあってもいいんじゃないでしょうか。
なかなかビジネスの取引の世界で“楽しい”感情なんて介入できませんが、情報を発信する方が“楽しさ”を提供していけば、必ずしも不可能ではありません。
例えばモノ作りの世界は、そのモノに対する愛情、楽しさがあるはずです。
「ウチはそんなの全然ないよ」っていう会社と、「これだけ愛情かけて、楽しく作りました」という会社とは、受け手に伝わるイメージも全然違うはずです。
そういう感情が、会社案内を作る上では必要なんじゃないか、と私は感じます。
表紙で読者(あえてこう表現します)の関心を掴むことができれば、次に目にするところは当然目次です。
ここで“我が社”の内容の大筋を見出しにしなければなりません。
単なる目次のページなら、なにも貴重なページ数と印刷費をかけることはありません。
そこで見てもらうだけの意味を持たせなければいけないのです。
すなわち「詳しく知りたくさせる」「中味を読みたくさせる」見出しのある目次であれば、充分その役割は果たせているといえます。
電車の中にぶら下がっている広告を「中吊り広告」といいますが、だれでも一度はご覧になっていると思います。例えば週刊誌の中吊り広告を思い出してみて下さい。
広告スペースいっぱいに書かれているのは「記事の見出し」です。
大きい文字や小さい文字、太い文字や細い文字で紙面が単調にならないように工夫していますが、写真やイラストなどはほとんど使っていません。
それでも見出しの面白さに惹かれてしまい、つい買おうかという気になってしまいます。
この中吊り広告は、言い換えれば雑誌の目次をそのまま掲載している様なものなのですが、それでもかなり受け手にインパクトを与えています。
そのパワーの源は、魅力的な「キャッチコピー」にあります。
単なるありのままの事実を伝える文章に、感情をゆさぶる表現が加えられているから心を動かされるのです。
女性週刊誌の目次や表紙はその最たるもの。
当然そのまま会社案内の目次に適用することはできませんが、参考になるところは数多くあります。
特に、雑誌の持つパワー、読者へのサービス精神を、会社案内を手掛ける多くのデザイナーは見習わなければならないでしょう。
週刊誌や月刊誌などの雑誌は、まず読者に“興味を持ってもらわなければ”売れません。
売れなければ雑誌は即、廃刊です。
これはなにも雑誌だけでなく、会社案内にも同じことが言えます。
関心を持ってもらえない会社案内は即、廃刊。
なぜならそんな会社案内は、せっかくのビジネスチャンスを失ってしまうことにつながるからです。